北海道狩猟2023

2023年今年の北海道蝦夷鹿猟のレビューを備忘録として・・

毎年の事ではあるが、北海道に入り最初の仕事は弾を作ることから始まる。338Lapua Magnumという、長距離での狙撃や大物の猟などによく使われる口径のハンドロード作業からスタートする。

338Lapua Magnum Cartridge and Magneto Speed

ハンドロードして完成した弾は釧路総合射撃場で、実射による弾速(マズルベロシティ)の測定と、スコープのゼロイン調整を執り行う、長距離での蝦夷鹿猟を安全に実施するためには欠かせない工程で、これを怠ると、事故につながるリスクが高い。自分が撃った弾がどこに飛んでいるのか?どこにあたるのかをしっかりと把握するための儀式だ。

釧路総合射撃場 300mゼロイン

微妙に薬量や、ブレットのシート量などを分けたロットを打ち比べて、最もグルーピングがよいものを2023年度冬のデーターとして決め、そのデーターに基づき実際のフィールドで使用するための装弾を秘密基地に戻ってから作成するためだ。

弾頭(ブレット)のセンター精度の確認

作った装弾は、弾頭(ブレット)が正確に芯出しできているかどうかを確認し、芯が(中心)でていなものは、外し分解しリローディングやり直しとなる。

今年のデータは 弾頭バーンズTTSX 225グレインに、パウダーIMR7828SSC 90グレイン リローディング4回目のカートリッジ(アニーリング済み) プライマーは昨今入手がほぼ不可能な、Federal GM215M ラージマグナム雷管に、弾頭のシート含む全長を 90.3mmとした。マズルベロシティは平均で3020ft/sで安定している。

以下に今年の2023年北海道道東エリアにおける、蝦夷鹿狩猟のダイジェストをご覧に頂ける

2023 北海道 道東エリア 蝦夷鹿・ヒグマ猟ダイジェスト

ソルトバスアニーリング

大口径ライフルのハンドロード、リローディングにて、命中精度の向上のために薬莢のアニーリング(焼き鈍し)という重要な工程をご紹介しよう。

ライフルの装弾には、市販の既成弾の場合どんな銃にも使えるように、決められた較差のなかで作られている。実際にはその既成寸法は自分の銃の薬室とはわずかに小さいので、薬室の中で激発時にわずかにケースがぶれることがある。そのような状態でのロングレンジシューティングには集弾製が期待できない要因のひとつとなる。

ところが、一度でも自分の銃で使用した場合、自分の銃の薬室の寸法に薬莢は広がるので、2回目の再利用にて雷管、パウダー(無煙火薬)、弾頭にてハンドロードすると、その装弾は自分の銃にぴったりとなっているので、命中精度が向上する。


その、ハンドロード・リローディングにおいての薬莢は重要なアイテムとなるので、その薬莢に焼き鈍し(アニーリング)を入れる事で、薬莢の寿命増加、命中精度を格段にアップさせることができ、ケースの再利用回数を増やすことができる。

そのソルトバスアニーリングの具体的な作業工程を動画に纏めたので要点を書いておく

このソルトバスアニーリングキットは、Lee製のメルター、温度計、30口径用のガイド、特殊な配合で作られた融点が高いソルトで構成されている。

ソルトの液体が、Leeのメルターの湯船のような炉の中で溶けた状態なのでソルトバスと呼んでいる?と勝手に解釈している・・笑

メルターにソルトを入れて、30分ほどで300度近くまであがりソルトが溶けて液状になる、温度計の温度が520℃くらいになったらアニーリングが開始できる温度だ

非常に高温の液体(ソルト)に薬莢を差し込み5〜7秒ほどソルトに浸したら、薬莢の色がレインボーカラーみたいに変色するので、そのままバケツに入れた水へと放り込み急速冷却をする。材質が真鍮なのでゆっくりと冷却すると余計に固くなる性質があるために、熱を加えて真鍮の金属分子を揃えたら、さっ!と水風呂に入れることで真鍮の材質を柔らかくすることが可能だ!この様子を以下の動画にてご覧になれるようにしているので、参考にしてほしい

ソルトバスアニーリングの様子

なお、このキットは国内では私の射撃場友達が唯一国内でハンドリングしている!
気になった読者は私を探し当ててくれると、紹介するので是非とも探してみてほしい・・

ちなみに、日本国内での参考価格はおよそ4万円ほどだ!!決して安くはないが、338ラプアなどの一個あたり、500円する薬莢のリロード回数を2〜3回から、5〜6回へと倍の寿命にしてくれるし、308ウィンチェスターなどもリローディングしやすいケースへと変貌するので長い目で見ればそこまで高価な出費ではないと思う